腸のむくみと聞いてもイメージしにくいでしょうが、腸が余計な水分を含み、水分だけでいっぱいになってしまって、他の機能が働かなくなる状態をいいます。そのため便秘になり、代謝がうまくできなくなってしまいます。
ではどうしてそんなに水をため込んでしまうのでしょうか。原因はいくつか考えられます。
むくむ原因
○長期の便秘
慢性的な便秘が続くと、腸内にたまった便の腐敗は進みます。すると腸内の悪玉菌が増え、ますます腐敗が進行していくことになります。その結果、腸壁の腸粘膜が炎症を起こし、本来腸の役目である水分吸収が滞り、むくんでしまうのです。
便秘が解消するとむくみは治りますが、また便秘になると同じようにむくむので、便秘しない体質に変えていくしかありません。
○下剤の使いすぎ
何日も排便がないと、どうしても下剤に頼りたくなるでしょう。いろいろな下剤が販売されていて、効き目の確かなものもあると思います。
たまに下剤に頼るぐらいならいいのですが、慢性的に下剤に頼るようになると問題です。薬によっては耐性ができてしまい、飲む量や回数がいつの間にか増えてしまったりします。すると腸粘膜は薬の刺激によって荒れた状態となり、炎症を起こして水分の吸収ができなくなってしまうのです。
むくむことによる害
○太りやすくなる
吸収しなければいけない栄養素やビタミンを、むくみ腸ではうまく吸収できません。腸内に入ってきたものを、むくみ腸は脂肪にして貯蓄してしまいます。そのために太ってしまうのです。
○冷え性になる
水分が内臓内にたまった状態が続くと体温が下がっていきます。冷えは体内の代謝を滞らせ、その結果肌荒れになったりしますし、風邪をひきやすくなります。
○イライラして沈んだ気分になる
人の幸福な感情に影響を与えるホルモン「セロトニン」は、腸内で作られています。この「セロトニン」がむくみ腸ではうまく排出されず、自律神経が乱れてイライラしがちになり、鬱(うつ)状態になったりします。
むくみ腸を改善するには
○腸内環境を整え便秘しない
腸内環境を整えるには、各種乳酸菌やビフィズス菌を含む食品と、食物繊維の多い野菜や果物を食事でとることです。
食事が偏るようなら、腸内の悪玉菌をやっつける効果のあるサプリメント、ラクトフェリンなどをとるようにしましょう。
○腹筋を鍛える
よい排便のために、腹部の筋肉を鍛えることも必要です。インナーマッスルを鍛える呼吸法や、腹筋を含むストレッチなどで、腹部の筋肉をしっかり鍛えておきましょう。