細菌とウイルスの繁殖を防ぐ効果
わたしたちは体調が優れない状態をばくぜんと「風邪」と呼ぶことがありますが、正確には、風邪とは呼吸器系の炎症性の症状の総称です。
風邪の症状には、喉の痛み、咳、痰、鼻水・鼻詰まり、体のだるさ、発熱があります。ラクトフェリンには、こうした風邪の症状の発生を予防し、症状を緩和する効果があると期待されています。
風邪には大きく分類すると、細菌を原因とするものとウイルスを原因とするものがあります。
ラクトフェリンには、風邪の原因となる細菌やウイルスの体内での増殖を直接抑制する作用があると期待されています。また、ラクトフェリンを食事に取り入れることで、免疫機能が向上して風邪をひきづらくなるとも考えられています。
また、腹痛、下痢、食欲不振などの胃腸炎の症状の予防と緩和の効果が期待できるという報告もあります。
細菌の増殖を抑制する効果について
風邪の原因となる細菌やウイルスは、増殖するときに体内の鉄を利用します。つまり、細菌やウイルスに鉄を与えないようにすれば風邪の症状を予防することができます。
ラクトフェリンには、鉄を吸着しやすいという特徴があります。細菌やウイルスの増殖の原因となる鉄分をラクトフェリンがとり込むので、風邪の症状を予防、緩和する効果が期待できると言われているのです。
また、ラクトフェリンがウイルスに吸着することで、直接増殖を抑える効果があるとも考えられています。インフルエンザウイルス、アデノウイルス、ノロウイルス、ロタウイルスなどに対しても抗ウイルス作用があると言われています。
数百人を対象とした実験でも、数ヶ月間ラクトフェリンを摂り続けることで風邪の症状が有意に予防・緩和されたという報告があります。
また、ラクトフェリンには、体内でインターフェロンの産生を活発にして、免疫機能を司るNK細胞を活性化させる効果があると言われています。ラクトフェリンを摂ることでNK細胞が活性化し、風邪の原因となるウイルス感染細胞を攻撃して風邪を予防できると期待されています。