便秘に良い食べ物として、「バナナ」を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。確かに、バナナを食べると気持ちのよいお通じがある気がしますが、それはなぜでしょうか。
ここでは、バナナが便秘に効く理由や、便秘に良いバナナの選び方、バナナを食べるタイミング等、便秘とバナナの関係について解説します。手軽に実践できる便秘解消法として、ぜひバナナを取り入れてみてくださいね。
なぜ便秘にバナナが効果的なのか?
バナナは、便秘に効果的なイメージがあります。一時期、「朝バナナダイエット」がブームになったことを覚えている方も多いのではないでしょうか。確かに、バナナを食べると便通が良くなる気がしますよね。
甘くて美味しい果物なのに、なぜバナナが便秘に効果的なのでしょうか。バナナに含まれる栄養素に、その秘密がありました。
【消化されないでんぷん質が便秘に効く】
バナナが便秘に効く理由の1つが、「レジスタントスターチ」という消化されにくいでんぷん質が含まれているから。レジスタントスターチは、エネルギーの源であるでんぷん質であると同時に、食物繊維と似たような働きをしてくれます。
しかも、水溶性・不溶性の両方の性質を兼ね備えているのが、バナナのスゴいところ。便のかさを増して排便しやすい状態にしてくれる、大腸の中で善玉菌のエサとなり悪玉菌の働きをおさえてくれるといった効果が期待できます。
【マグネシウムが便の水分量を増す】
バナナには、マグネシウムが含まれています。マグネシウムは、腸の中の水分を増やしてくれます。そのため、便の水分量が増え、柔らかくて排便しやすい状態になるのです。酸化マグネシウムは、下剤としても処方されますから、便秘解消に効果があることは明らかです。
ちなみに、バナナのマグネシウムは100gあたり32g。果物の中では含有量が多いです。他の食品では、納豆、焼き海苔、こんぶ、あさり、わかめなどに含まれているので、便秘に悩んでいる方は参考にしてくださいね。
【食物繊維が含まれている】
バナナには、不溶性食物繊維も含まれています。不溶性の食物繊維は、便のかさを増して腸を刺激し、排便を促してくれます。
ただ、バナナに含まれる食物繊維は、1.1g。厚生労働省策定の食事摂取基準によれば、1日あたり19g~26g程度の食物繊維が推奨されていますから、バナナだけで十分な量を賄うのは現実的ではありません。
ですから、食物繊維が多い食品を組み合わせて、できる限りたくさん摂取できるように工夫しましょう。具体的には、豆類、いも類、きのこ類に多く含まれているので、毎日の食事へ積極的に取り入れるようにしてくださいね。
【フラクトオリゴ糖が含まれている】
あまり多くはありませんが、バナナには腸内に届いて善玉菌のエサとなる「フラクトオリゴ糖」も含まれています。オリゴ糖をエサにして善玉菌が増えると、悪玉菌は減り、腸内環境は整います。
ヨーグルトとバナナを一緒に食べると、ヨーグルトの乳酸菌+バナナのオリゴ糖のコンビネーションが期待できます。
便秘対策に効果的なバナナの選び方
栄養豊富で、便秘解消の強い味方になってくれるバナナ。1本あたりのカロリーも80キロカロリー程度であまり高くありませんし、お財布にも優しく、安心して食べることができますよね。
ただ、どんなバナナでも効果があるわけではありません。シュガースポットの現れた完熟バナナではあまり便秘解消が期待できないのです。なぜなら、レジスタントスターチは蒼い状態のバナナに豊富に含まれているからです。
甘いバナナはとても美味しいですが、便秘解消を目的にするのであれば、できる限り青いバナナを選びましょう。
便秘解消には、どのタイミングでバナナを食べるのがいい?
バナナを食べるタイミングは、特に決まりはありません。
朝一番に食べれば、空腹時に胃腸にバナナが入るので、反射的に腸が動き始めます。でんぷん質が豊富で甘みもあるので、朝のエネルギー補給にもピッタリです。
夕食の後に食べれば、寝ている間の腸の動きに良い影響を与えてくれます。
バナナで便秘解消を目指すのであれば、「どのタイミングで食べるか」よりも、「継続して食べ続けること」を意識することが大切です。
意外?バナナの●●な食べ方が便秘に効く
バナナは、皮を剥くだけで手軽に食べられるので便利ですよね。ただ、毎日食べ続けていると、飽きてしまうかも…。そんなときに試してほしいのが、「ホットバナナ」という食べ方です。
ざく切りにしたバナナを、電子レンジに30秒程度かける、もしくはフライパンで軽くソテーするだけ。これだけで、甘みが増していつもとは違った味わいを楽しめます。体の中から温まるので、朝食のメニューにピッタリです!
さらに、オリーブオイルをかけて食べるアレンジもオススメ。適度な油分を同時に摂取するので、便の滑りが良くなってさらに快便に近づけますよ。
バナナ+ラクトフェリンで便秘知らずの腸になろう
バナナだけでなく、サプリメントも併用して腸内環境を整えたいという方にオススメなのが、「ラクトフェリン」です。
ラクトフェリンとは、哺乳類の乳に含まれているタンパク質の一種。便秘解消も期待できます。腸内で善玉菌を増やしてくれる働きがあるので、腸内環境が整うのです。
さらに、免疫力を高める、抗菌・抗ウイルス、貧血を解消するといった体に嬉しい効果も期待できますよ。
ラクトフェリンは熱に弱く、食事で摂り入れるのは難しいので、サプリメントで毎日継続摂取するのがおすすめです。バナナとラクトフェリンのWパワーで、便秘知らずの腸を目指しましょう!
気持ちよく排便できたとき、「バナナ状の便」という表現がされます。バナナと便秘は、切っても切れない関係なのです。バナナやラクトフェリンを日常生活に取り入れて、便秘になりにくい身体を手に入れましょう。