腸まで届く腸溶性ラクトフェリンのメリット
本来、ラクトフェリンは、熱や酸などによって破壊されやすい成分であることが知られています。そのため、ラクトフェリンを摂取すると、胃のなかで分泌される胃酸や消化酵素によってラクトフェリンが分解されます。
したがって、通常のラクトフェリンをそのまま飲むだけでは、小腸にまでラクトフェリンが到達しないことがあります。
これを防ぐために開発されたのが、耐酸性カプセルや腸溶性コーティングされたラクトフェリンのサプリメントです。こうしたラクトフェリンを小腸まで届ける為の工夫によって、胃酸や消化酵素からラクトフェリンを守っています。
腸まで届くラクトフェリンは、胃で分解されずに小腸にまで届いてくれます。したがって、腸内環境を整えるにはたいへん効果が期待されます。
また、内臓脂肪を減少させる効果を期待する場合にも、腸まで届くものが有効であると考えられています。
腸まで届かないラクトフェリンのメリット
ここまで聞くと、腸まで届かない普通のラクトフェリンにはメリットがないようにも思えますが、必ずしもそうではありません。
あえて腸まで届かないようにしているサプリメントがあるのです。
胃から分泌される消化酵素によってラクトフェリンが分解されると、ラクトフェリシンという物質に変化します。
このラクトフェリシンには、ラクトフェリンよりもはるかに強い抗菌作用があることが知られています。
したがって、抗菌作用を期待している場合には、ラクトフェリシンが有効と考えられています。反対に、腸まで届く腸溶性のラクトフェリンは、ラクトフェリシンに変換されるチャンスがありません。
期待する効果に合わせて飲み合わせるのがおすすめ
このように、ラクトフェリンには腸まで届くものと、腸まで届かないものがあり、それぞれに長所と短所があります。
サプリメントのメーカーは、それぞれの特徴に合わせてサプリメントを製造しています。
腸内環境や内臓脂肪の蓄積を抑える効果を期待して腸溶性のラクトフェリンを用いているメーカーもありますし、ラクトフェリシンが生まれることを期待して、腸溶性でないラクトフェリンを用いているメーカーもあります。
期待する効果に合わせて、腸溶性のラクトフェリンとそうでないラクトフェリンを含むサプリメントを、それぞれ飲み分けることをおすすめします。