腸セラピー、耳慣れない言葉だと思われる方もいることでしょう。腸セラピーとは、腸をマッサージしてより快適な状態にしてくれる施術のことです。

近年、腸セラピーをおこなうサロンや施術院が増えてきました。ただこの腸セラピーや腸もみというものは、国家資格も認定基準もありません。民間のそれぞれの団体が、自分たちで資格認定の基準を作り、講座を開いて受講者に認定証書を与えています。

高額な施術料金を支払って腸セラピーを受けても、効果がなければ意味がありません。本当に効果がある腸セラピーは、どのようなものなのでしょうか。

昔から便秘は、人間にとって厄介な病気でした。そのため発達した腸もみの施術法は、東洋医学ではかなり古くから活用されています。それが現代のマッサージに受け継がれて、腸セラピーにもつながっています。

腸もみとは腸に外側から刺激を与え、腸の蠕動をうながす手技です。蠕動が鈍くなると腸は硬くなってしまい、ますます蠕動が鈍くなってしまいます。そこで外側から柔らかい刺激を与え、腸を動かして内容物を移動させていくというものです。

腸もみをするのなら、腸セラピーのサロンまで出向く必要はありません。わざわざ高いお金を払って、セラピーを受けることの利点とはどんなものでしょうか。

○よいセラピストを見つける

セラピストが腸をマッサージする時間は、30分から60分程度です。その間にどのような症状で悩んでいるのか、健康状態はどうなのかなど、よく話を聞いてくれるセラピストだといいでしょう。

講習会など受けてセラピストになったのですから、腸活に対する知識も豊富な人が理想です。一方的に自分の知識を押しつけるのではなく、たとえば便秘解消ならネットのサイトで学べる以上のことを、知っていて欲しいものです。

話をしていてリラックスできるようなセラピストなら、施術の効果もあがります。腸は緊張するといつもより硬くなりますから、腸セラピーを受けても緊張続きでは効果があがりません。

痛むような施術をおこなう人もいますが、耐えられないような痛みだったらはっきりと言いましょう。気持ちよく施術を受けられることがなによりです。

○ストレスからくる過敏性腸症候群に対する効果

セラピーとは心身をリラックスさせる効果のあるものです。過敏性腸症候群の原因がストレスである場合、腸セラピーによって便秘を改善するだけでなく、ストレスの発散にもなれば非常に効果はあがります。

施術の間に、日頃のストレスの原因となるようなことを、セラピストに世間話のようにして言うというのもいい発散方法です。1人でストレスを抱えているとつらいばかりですが、愚痴を聞いてくれる人がいるだけでも気持ちが晴れることはあります。

心理カウンセリングを受けるだけでも、支払う金額は高額です。心のセラピーを受けながら、腸に心地よいマッサージを受けていると思えば、腸セラピーを受ける価値はあるでしょう。

どこが本当によい腸セラピーのサロンなのか、口コミを頼りにして探すしかありません。けれど気を付けないといけないのは、口コミも関係者が書いた嘘の場合があることです。少しでも不快な思いをするようなことがあるならば、続けることはおすすめできません。こんな腸セラピーには用心してください。

○原料の安全性が不明なサプリなど売りつけてくる

腸活に向いているサプリメントなら、安心できるメーカーのラクトフェリンなどがあります。値段が高いばかりで、材料もはっきりしないサプリメントやお茶をすすめてくるようでしたら、用心したほうがいいです。

便秘で腸セラピーを受けているので、売りつけてくるのは漢方のセンナなどを混ぜた粗悪な下剤の可能性があります。たしかにそれを飲めば排泄できるかもしれませんが、下剤と同程度のそのときだけの効果しかありません。

○スピリチュアリティに偏りすぎている

最初からそういった霊的なものに関心があって、セラピーを受けられるのでしたらいいでしょう。けれどそういったものを全く求めていなくて、腸活のために腸セラピーを受けるのだとしたら、あまり精神性にこだわるサロンはおすすめできません。

たしかにリラックスして交感神経を休めれば、自然と体調がよくなることもあります。それでしたらご自宅でヨガをしたり、ヒーリング効果のある音楽を聴いたりするだけでも効果があります。

よいセラピストに巡り会えて、施術のあとで気持ちのいい排便があるようでしたら、たまに通われるのはいいことだと思います。リラックスできて、硬くなった腸が柔らかくなり、蠕動が活発になればいうことはありません。

人にマッサージをしてもらわないと、いい排便ができないとなってしまうと、またそれは問題です。腸もみマッサージは、自宅でも手軽に行えますが、まずは体の中から改善していく努力も続けてください。