お腹がすいたときにグーグー鳴る音。聞かれたくないですね?
シーンと静まり返っている室内に「グーッ」と響き渡り恥ずかしかった・・・なんて経験、だれでもあると思います。
この現象、自分で止めることは不可能です。
人に聞かれないようにする対処法はあるのでしょうか?
こちらの記事では、お腹が鳴る原因や考えられる病気など詳しく説明していきます。
グルグルと腸の鳴る音もしますが、実はこれは腸が健康で、蠕動が盛んにおこなわれている証拠でもあります。
さっそくみていきましょう!
腹の音は腹鳴(ふくめい)
お腹の音は腹鳴と呼びます。口から飲み込んだ空気が、内容物と混じり合いながら腸内を通過するときに鳴る音です。
よく聞かれるのは空腹時のグーグーいう音ですが、あれは空っぽになっても胃が蠕動を続けているために、中の空気やわずかな水分の動きででる音なのです。
腸の腹鳴も一日中鳴ってはいますが、耳に聞こえるほどの大きな音がすることはあまりありません。ひんぱんに音がするようなら、大腸の中にガスだまりができている可能性があります。
ガスは食べ物が消化していく間に発生しますが、ほとんどは呼気として体外にでていきます。でていけなかったものが、大腸の中にとどまっていて、最終的にはオナラとなって体外にでていきます。
腹鳴を減らすには
腹鳴を減らすにはオナラの対策と同じで、余計な空気を飲み込まないことです。呑気症などで、どうしても空気を飲み込んでしまうような人は、意識して口呼吸より鼻呼吸をするように心がけましょう。なによりも呑気症を治すべきです。
姿勢が悪いと、どうしても腹部が圧迫されるので、ガスだまりができやすくなります。猫背にならないよう、いつも胸を反らして生活するようにしましょう。
最近は無糖の炭酸水などが人気ですが、炭酸を含んだ飲料はさけたほうがいいです。炭酸は飲んですぐにゲップとなってでてきますが、その後は胃と腸の蠕動によって、体内にガスとして送られていきます。そのときにゴロゴロと音がするのです。
腹鳴が気になるようなら、炭酸類は避けてお茶や水にしましょう。お茶はあまり熱くしないで飲みます。熱いと口元でフーフー冷ましたりしますが、そのときに口から余計な呼気が吸い込まれる可能性があるからです。
食事はゆっくりとよく噛んで食べます。ガツガツとかきこむような早食いは、一緒に大量の空気を胃の中に導いてしまいますから、注意しましょう。
腹鳴が多くなる病気
健康でしたら、腹鳴はほとんど意識することなく日常を送れるでしょう。腹鳴の音が大きい、回数が多い、鳴ったあとにいやな臭いのゲップがでる、こんな症状があったら、なにか病気が隠れているのかもしれません。
○胃酸過多
ストレスなどで胃の調子が悪くなると、空腹時にでる胃酸の量が多くなります。すると腹鳴がいつもより激しく鳴り出します。
○呑気症
ストレスによって引き起こされることが多い病気です。リラックスする方法を学び、無意識のうちに奥歯を噛みしめる習慣をなくしましょう。
○過敏性腸症候群
これもストレスによってなる病気です。下痢と便秘を繰り返すことが多く、病院を受診してもはっきりとした原因がみつかりません。
腸の蠕動が滞ると便秘になり、亢進すると下痢になります。その間つねにガスだまりができるので、腹鳴も多く聞こえるようになるのです。
ストレスを解消し、腸を整えると治ります。精神的に落ち込むことが多い人がなりやすいのですが、セラピーを受ける、ヨガ教室に通うなどして、心身ともに治していく必要があります。
○大腸癌でも腹鳴が増える
大腸に癌ができると、少しの食事でも膨満感が増します。そしてかなり大きな腹鳴が聞こえるようになります。いつもと違う腹鳴を聴いたら、病院で検査をしてください。
鳴らないと問題
じゃまな腹鳴ですが、まったく鳴らないとなると問題です。病が隠れている可能性があるので、注意したいところです。
ただ腹鳴は、静かな部屋に1人でいるときなどには聞こえますが、賑やかで話し声がするところでは聞こえません。そうなると腹鳴のないことにも気がつかないのです。
なんとなくお腹の調子が悪いと思ったら、病院で診察してもらいましょう。そのときに医師は、聴診器で腹部の音を聴いてくれます。もしまったく音がなかったら、腸が閉じてしまって内容物が流れなくなる腸閉塞という病気の可能性があります。
腸閉塞は処置が遅れると、閉じた部分が壊死して危険な状態になります。腸の蠕動が感じられず、腹鳴もないようなら、ただちに診察を受けてください。
腹鳴はほどよく鳴るのが健康
鳴りすぎても、鳴らなくても病気の可能性があるのが腹鳴です。けれど腹鳴だけで自己診断はできません。
便秘はしていない。胸焼けなどもない。食事は三食、きちんととっている。腸活のためにラクトフェリンを必ず飲んでいる。
このような安心材料がある場合、腹鳴が聞こえなくても心配することはそれほどありません。それよりも回数が多く、異様な音が続く場合は病気を疑ったほうがいいようです。
音楽を聴いたり、テレビを観たりするのも楽しいですが、たまには静かな時間を作って、体の中の音に耳を傾けてみるのもいいかもしれません。