ヒトの体内には、100種類ほどの細菌がいると言われており、代表的なものに「乳酸菌」があります。その中の一つにラクトバチルスがあり、“属菌”と呼ばれる約30種類ある乳酸菌属の中で一番大きな属に分類されています。
(属菌は様々な乳酸菌を大きく分けた分類の一つで、属菌の中に“菌種”があります。さらにそこから最小の単位として“菌株”に分類されます。)
では、具体的に乳酸菌とは何か、その中のひとつであるラクトバチルスとはどんなもので、どのような効果があるのかみていきましょう。
乳酸菌とは
糖を利用して乳酸をはじめとする菌を作り出す細菌のことで、善玉菌のひとつです。
○2つの働き
乳酸菌は動物性と植物性に分類され、それぞれ含まれている食品や働きが異なります。
1.動物性
バター、チーズ、ヨーグルトなどの発酵乳に含まれ、乳糖をエサとします。ヨーグルトにはよく「○○が腸に届く」などと謳っていることが多いため、身近に感じますね。
ただ、生きたまま腸に届くことは難しく、効果は植物性よりも劣ります。死菌となったものは自らエサとなり、働きの手助けをします。
2.植物性
植物性乳酸菌が多く含まれているのは味噌、納豆、漬物、キムチなど良く知られている身近な食品です。主にえさとなるのはブドウ糖や果糖・ショ糖などです。含まれている食品をみると、動物性のほうが有名なものが多いかもしれません。
しかし、動物性よりも酸に強く、腸まで届きやすいという特徴を持ち、栄養分が少ない場所でも生き抜く力があるということで近年注目されています。
ラクトバチルスとは
ラクトバチルスは、乳酸菌の中でもヒトに身近な存在であり、酸にも強く、酸素がないところでも繁殖が可能な乳酸菌です。ヒトの腸の中に住んでいるほか、様々な食品に含まれ、70種類以上存在しています。
それぞれの菌が異なる糖をエサとしているため、種類がこれほどになります。菌と食品の一例として、“プルガリスク:ヨーグルト・乳酸菌飲料”、“カゼイ:チーズ・発酵乳・乳酸菌飲料”、“プランタルム:発酵食品”などがあります。
○ラクトバチルスの効果
乳酸菌というと、整腸作用が有名ですが、ラクトバチルスはこれ以外にも免疫機能に大きく関わっています。具体的にはアトピー、アレルギー、風邪・インフルエンザの予防などが挙げられます。この他、美肌効果もあると言われています。
と言っても、ラクトバチルスは70種類以上あるため、すべての菌が同じ働きをするものではありません。種類によって効果は変わってきます。
まとめ
乳酸菌の中でも、ラクトバチルスは私たちに身近な存在で、効力の強い乳酸菌です。免疫機能に関連しているため、ヒトの健康増進にも繋がります。
簡単に手に入る食品にも多く含まれているため、摂りやすいですね。もし発酵乳や発酵食品が苦手という方は、サプリメントを利用してみてはどうでしょうか。